アップテンポのアルトサックスの曲といえば「キャラバン」
200bpm超の、京浜急行の快速特急さながらの非常にアグレッシブなナンバーです。

サックスプレーヤの腕のミセどころはアドリブの部分ですが、この曲のアドリブを色々な奏者で聞き比べると非常におもしろいのです。

・3オクターブにわたるグリッサンド

ピアノでは簡単ですが、複雑なキーを駆使してブルーノートでレジスターキーを意識させず、しかも32分音符でこれをやるんです。聞いているだけでも脱帽。ほぼ楽器の音域を全て使い、最低音から、最高音域の上(曲芸音域)まで急上昇。

・音階には関係のないキーを動かして、ホーミーのような疑似ステレオ?のような効果を出す

・冊子を読むと某奏者はヴァンドレンの特別リード(メタリックな濃紺の箱らしい)の7`1/2!!を使っている。激しい演奏のため、マウスピースですら2ヶ月持たない。

・彼らの最高音は一般的な教本の1~1.5オクターブ上

「キャラバン」ではありませんが5人のバリトンサックス奏者のグループ(名前は失念)が演奏していた「トルコ行進曲」の音の美しさには感動しています。(CDを探していますがみつからない)、最高音域以上の音しか使っていないので、初めて聞いたときに、ソプラノサックスかと勘違いしそうになりました。

この、バリトンサックスの最高音域は「真鍮のセイレーン」と呼ばれるほど美しい音色が出るといわれていますが、リード、楽器、奏者の技術の三拍子が完璧でないと発することのできないので、神の領域と呼ばれています。

これはバスクラリネットでも同じで、チェコのクラリネット奏者B.Helliv の「アヴェ・マリア」を一度聞いてみてください。低音楽器の奏でる高音がこんなに美しいのかと衝撃を受けるとおもいます。

演奏経験のある方が初めて聞くと、半日ほど何もしたくなくなるとおもいます。

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